ご依頼の背景

被相続人には子がおらず、兄弟がいたが亡くなった人もおり、面識もない人も多くいることから、自分で全相続人に連絡をとって遺産分割手続きを進めるということは到底不可能なので、弁護士に依頼して手続きを進めたい。

依頼人の主張

協議がまとまるのであれば、分割内容については法定相続分にしたがうがとにかく遺産分割手続きを進めてほしい。

サポートの流れ

依頼者が相続人の人数や住所をすべて把握していなかったため相続人調査を行いました。その結果、亡くなっていた兄弟もいたため、兄弟の子も含めて相続人が約25名いることが判明しました。そこで、全ての相続人に対し、遺産分割協議が可能かどうかについて連絡をしましたが、一部の相続人から分割内容にかかわらず遺産分割協議への協力自体を一切拒否するとの回答がありました。そのため、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てました。

結果

相続人が多数であり、また、遠方に住む相続人もいたため、相続人全員が調停手続きに出席することは到底不可能でした。そこで、全相続人が出席しなくても、調停が成立したのと同じ効果がある調停に代わる決定という手続きを行うべく裁判所と協議を進めました。裁判所からは、協力を拒否している相続人以外の相続人が、法定相続分どおりの遺産分割で同意しているかどうかを確認するよう求められたため、拒否している相続人以外の相続人全員から法定相続分どおりでの遺産分割に同意していることを確認しました。また、調停に代わる決定はその決定後に一部の相続人からでも異議が申し立てられれば効力を失うことになるので、拒否している相続人が異議を述べないということについてその根拠とともに説明しました。裁判所とそのような協議を進めている中で、拒否をしていた相続人が亡くなったため、その相続人となる子供らに改めて協力を求めたところ協力するとの回答であったことから、法定相続分にしたがった遺産分割協議を全相続人との間で成立させることができました。