相続財産に不動産が含まれている場合は、不動産をいくらで評価するかによって、遺産分割の配分が変わってきます。
不動産を評価する際の計算式は、遺産分割と相続税申告によっても違ってくるため注意が必要です。
そこで今回は、相続不動産の評価額の計算方法について解説します。
相続不動産の評価方法
不動産については、路線価、固定資産税評価額、公示価格、実勢価格と、様々な評価方法があります。
路線価とは、市街地の道路に面した宅地1㎡あたりの目安となる金額のことで、国税庁のホームページに公開されている路線価図で確認することが可能です。
路線価で計算できるのは土地の評価額のみです。路線価に地積を乗じることで算出します。
固定資産税評価額とは、不動産に固定資産税を課税する場合の評価額のことで、毎年送付されてくる納税通知書や、役所で固定資産税評価台帳を閲覧することで確認することができます。
公示価格とは、全国の標準地について定められる地価であり、国が適正であると認めた土地の評価額のことです。
実勢価格とは、実際に不動産が市場で取引される場合の評価額、時価のことです。
遺産分割と相続税で見解が分かれる
相続税を計算する場合、土地は路線価を、建物は固定資産税評価額を用いて算出される評価額を利用します。他方、遺産分割では、必ずしも路線価や固定資産税評価額をベースにしなければならないわけではありません。
相続税の計算上は、一定の財産評価基準に基づいて計算をしなければならないというルールがありますが、遺産分割の場合は、原則としてすべての相続人が同意していれば、別の方法で評価することも可能なのです。
税法上の評価額は低くなる
路線価や固定資産税評価額を用いて算出される評価額については、実際に相続不動産を売却した場合の時価と比較すると20~30%ほど低くなります。
相続税の計算上は、税金が抑えられるだけなので何の問題もありませんが、遺産分割となると話が変わってくるのです。
長男と次男の2名が相続人であるケースにおいて、長男が不動産、次男が1億円の現金を相続するとします。
不動産の相続税評価額評価額が1億円だとするとちょうど均等になりますが、次男からすると「時価は1億2,000万円程度だから、公平ではないという」主張をする可能性があります。
そうなると長男の相続分の方が2,000万円多くなるため、半分の1,000万円を代償金として次男に支払う必要性が出てくるのです。
このように、不動産相続においては、不動産をいくらで評価するのかによって、全体のバランスが大きく変わってくるため、遺産分割のトラブルの火種となる傾向があります。
四ツ橋総合法律事務所の不動産相続サポート
不動産が相続財産に含まれてる遺産分割においては、単に相続税を計算するのとは異なり、相続不動産の評価方法からもめることもあるため、できる限り早い段階から弁護士によるサポートが必要です。
四ツ橋総合法律事務所は、不動産相続のサポートにおいて、他の法律事務所ではなかなか真似できない、次のような強みを持っています。
相続税に強い税理士との連携体制
不動産の評価については、相続税も密接に関係してきます。
当事務所は、相続税に強い税理士と提携しておりますので、不動産の評価についても多角的な視点から検証することが可能です。
弁護士としての見解と税理士としての見解、両方を相続人の方にご説明できますので、より遺産分割に対する賛同を得やすくなり、協議をスムーズに進められる可能性が高まります。
また、相続税についても試算できますので、そのあたりを考慮しながら遺産分割を進められる点も当事務所の強みです。
不動産会社との連携
不動産相続において不動産の評価額でもめた場合、不動産会社の価格査定を基準に遺産分割をすることもよくあります。
ただ、一般の方が飛び込みで不動産会社に査定を依頼しても、実際に売却するわけではないと、なかなか本腰を入れて査定をしてもらえません。
当事務所にご依頼いただければ、不動産会社とも連携していますので、スムーズに価格査定をしてもらうことが可能です。売却して換価分割する場合についても、そのまま不動産会社に依頼することができますので、ご依頼者様にかかるご負担はほとんどありません。
司法書士との連携
遺産分割協議がまとまったら、相続人の名義に登記を変更する必要があります。当事務所は、相続登記を得意とする司法書士とも連携しておりますので、ご依頼者様が別途司法書士を探す手間なく、ワンストップで名義変更まで完結することが可能です。
このように四ツ橋総合法律事務所は、不動産相続に関係する複数の専門家と連携、提携しておりますので、手続きをスムーズに進められるとともに、遺産分割協議をまとめやすくなるような情報についても、迅速にご提供することが可能です。
早期のご相談で不動産相続のトラブルは回避可能
不動産相続については、評価額を原因とするトラブル以外にも、次のような場合にトラブルが発生する可能性があります。
- 土地と建物の所有者が一致していない場合
- 土地、建物どちらかが共有関係にある場合
- 借地、底地が含まれている場合
上記のようなケースについては、不動産相続において権利関係が複雑化してきますので、問題がこじれてしまう前に当事務所までご相談いただくことをおすすめします。
初回相談料は無料ですので、できる限りお早めにご相談ください。