親が亡くなられた場合、子供は第1順位の法定相続人となりますが、親が既に離婚している場合や、結婚していない男女の間に生まれた子供については、親の遺産を相続できるのでしょうか。

また、父親と母親で扱いは異なるのでしょうか。詳しく解説します。

親子の相続関係について

父親もしくは母親が死亡して相続が発生した場合、子供は片親とともに相続人として1/2の財産を相続する権利を有しています。では、親が離婚した後に死亡して相続が発生した場合はどうなるのでしょうか。

親が離婚しても親子関係は継続する

結論からすると、親が離婚したとしても子供との法律上の親子関係は継続していますので、離婚後に父親もしくは母親が死亡して相続が発生した場合でも、子の地位として第一順位の相続人となります。

例えば、母親が親権を取得して同居していて、父親とは何年も会っていないような場合でも、父親が死亡した場合は相続人になります。親権の有無や、同居期間などに関係なく、法的に親子である以上は相続権があるのです。

再婚相手との間の子との相続関係

親が離婚しても親子関係が続くため、子供は原則として相続人となりますが、親が再婚して再婚相手との間に子供ができた場合はどうなるのでしょうか。

前妻との子供と後妻との子供がいる場合については、どちらも同じく子供として法定相続人となります。例えば、前妻との間に子供1人がいる状態で後妻と結婚して子供1人が生まれた場合の法定相続分は、後妻1/2、前妻の子供1/4、後妻の子供1/4です。

このように、後妻との間に子供が生まれても、前妻の子供は相続分が減るだけで法定相続人としての地位は変わりません。

結婚していない男女の間に生まれた子供の相続関係

結婚していない男女の間に生まれた子供のことを、法律用語で「非嫡出子」といい、次のようなケースがあります。

  • 婚姻の成立日から200日を経過したあと、又は、婚姻の解消もしくは取消しの日から300日以内に生まれた子以外の子
  • いわゆる隠し子、婚外子(そもそも結婚関係のない男女間に生まれた子)

非嫡出子については、父親との間では、法律上の親子関係が当然に認められるのではないため、そのままだとたとえ血が繋がっていたとしても父親の財産を相続することはできません。

一方、母親については出産によって母親が特定できるため、母親の婚姻関係の有無にかかわらず、子供は相続人となれます。

父親の財産を相続するには認知が必要

非嫡出子が父親の相続人となるためには、父親に「認知」という手続きをしてもらわなければなりません。

認知とは、父親が自分の子供であると正式に認めることで、具体的には父親もしくは子の本籍地を管轄する市区町村役場に「認知届」を提出することで成立します。

認知は子供が生まれてくる前の胎児の段階でもすることが可能で、「胎児認知」といいます。

認知に相手方の同意は原則として不要ですが、胎児の場合は母親の同意、子が成人している場合は子の同意が必要です。

父親が認知を認めない場合

父親が自分の子供であると認めない場合は、家庭裁判所に対して認知調停の申し立てをして認知するよう求めていくという手段を採ることになります。

調停でまとまらない場合は、裁判になるため、解決までに時間がかかる可能性があります。

非嫡出子が嫡出子になるケース

生まれた時は非嫡出子でも、その後の手続きによって嫡出子になる「準正」が成立するケースがあります。

婚姻準正

非嫡出子が認知された後に、両親が結婚した場合

認知準正

両親が結婚した後に、非嫡出子が認知された場合

上記のいずれかに該当する子供については、嫡出子となります。

法改正で相続分は嫡出子も非嫡出子も同じ

以前の法律では、嫡出子と非嫡出子については法定相続分に違いがあり、非嫡出子は嫡出子の半分の法定相続分に制限されていました。

ただ、このような定めは妥当ではないということになり、2013年9月5日以降に発生した相続からは、嫡出子と非嫡出子の法定相続分は平等になったのです。

相続人に非嫡出子がいる場合の遺産分割は慎重に

法改正により嫡出子と非嫡出子の相続分は同じになったものの、嫡出子と非嫡出子両者が相続人となる遺産分割については、トラブルになりやすい傾向があるため注意が必要です。

お互いが取り分を主張して話がまとまらなくなると、最終的には感情論に発展してしまい収集がつかなくなるほどにもめてしまうことも少なくありません。

また、父親が生前に認知している非嫡出子がいることを家族に隠しているケースもありますので、相続が発生した際には戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などを取得して、誰が相続人なのか正確に確認する必要があります。

遺産分割のサポートは四ツ橋総合法律事務所にご相談ください

非嫡出子が相続人となるケースでは、感情のこじれが紛争に発展することが多いため、第三者が間に入らないと話し合いが平行線になる可能性があります。

当事務所は過去相続について累計1,200件以上のご相談実績がございますので、非嫡出子が相続人となるケースについても経験済みで、ポイントを抑えてサポートすることが可能です。

また、四ツ橋総合法律事務所は税理士との連携を密にしているため、遺産分割の際には相続税や所得税のことも考えて、ベストな選択肢をご提案することが可能なことがあります。

法律と税務、両方の視点からアプローチをかけられることが、四ツ橋総合法律事務所の強みですので、まずはお気軽にご相談ください。

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