ご依頼の背景
相続人4名のうち、次男とは音信不通でした。依頼人は、以前より先祖の法要のために手紙を送り、被相続人が死亡した時にも電話(繋がらず、コール音のみ)を行うなど可能な限り次男が親族での法要行事に参加できるよう配慮をしていました。
しかし、それらに対しても一切の対応はなく、また郵便物が返送されることもありませんでしたので、当該住居に次男が住んでいることはおおよそ明らかでした。
その状況下で、不動産名義を有する被相続人が死亡し、不動産名義変更の手続きを進めるため、弊所で手続きを進めることとなりました。
依頼人の主張
法定相続分に争いはなく、不動産の名義を依頼人の名義へ移転できれば他に大きく望むものはない(不動産を取得する対価として代償金を支払うことに関しては、相当額であれば問題ない旨の回答を得ました。)、とのことでした。
もし、可能であれば、過去に次男が被相続人の生前に金銭的援助を受けていたため、その援助金相当額については次男の受けた特別受益として処理してほしい、とのことでした。
サポートの流れ
まずは、最初の面談時にスケジュール感を伝えました。相手方へ連絡文書を送付しますが、これまでの聴取経緯から弁護士が就任したからといって対応が大きく変わるものではないと考えましたので、できるだけ早期に裁判所への調停申立てをすることを提案致しました。
その場合において、【依頼人の主張】に記載のある特別受益の主張が認められないおそれがあったため、その説明も行い調停申立てへ進むことになりました。
結果
相手方は裁判所にも出頭しなかったため、私が次男の自宅に居住しているか否かの調査を行い、調査結果として居住しているが全く対応いただけない旨を裁判所に報告しました。
その後、次男が出席する機会に備え何度か期日へ出席をし、それでも次男は一度も出席しなかったため、裁判官と相談し調停に代わる審判手続きにより終了しました。
そして、結果として【依頼人の主張】どおりの結果を達成することができたため、非常に依頼人も喜んでおりました。