ご依頼の背景

依頼者の妹が亡くなり、母親が相続人となりました。

もっとも、妹には不動産や預貯金などの積極財産はなく、むしろ少なくとも数十万円の債務があることが判明しました。

そのため、母親の相続放棄をしたいとのことでした。また、母親が相続放棄をすると、次順位相続人として兄である依頼者が相続人となりますが、依頼者としても相続放棄をしたいとのことでした。

そこで、母親および依頼者の相続放棄申述をまとめてご依頼いただくことになりました。

依頼人の主張

妹の債務を引き継いで支払うことはできないので、母親と依頼者はいずれも相続放棄したい。

また、妹の自宅の賃貸借契約や水道光熱費の契約、妹が利用していた携帯電話の契約はどのようにすればいいのか知りたい。さらに、妹の自宅に残された物をどのように扱えばいいのかも知りたい。依頼者はこのような要望をお持ちでした。

サポートの流れ

亡くなられた妹に不動産や預貯金などの積極財産がないことは明らかで、他方、妹には少なくとも数十万円の債務があることが判明していました。

積極財産がある場合には、債務額によっては積極財産を処分することで債務を完済し、余剰を取得することも考えられることから、信用情報機関への照会などを通じて債務額を調査することも考えられます。

もっとも、今回は債務超過であることが明らかであったことから、追加で債務の調査をすることはせず、相続放棄の準備を進めることとしました。

結果

必要書類を収集し、まずは母親について相続放棄の申述をしました。母親の相続放棄申述が裁判所に受理された後、続けて依頼者の相続放棄の申述をしました。

これにより、母親および依頼者が妹の債務を引き継ぐことは亡くなりました。なお、今回は、依頼者から妹の債権者に対して、母親と依頼者が共に相続放棄したことを連絡してもらいました。

妹の自宅の賃貸借契約や水道光熱費の契約、妹が利用していた携帯電話の契約については、依頼者からそれぞれ賃貸人(管理会社)、水道光熱費供給者、携帯電話会社にそれぞれ連絡してもらい、妹が亡くなった旨伝えてもらいました。

また、妹の自宅に残された物については、高価なものはないようでしたが、念のため賃貸人(管理会社)に処分を委ねることにしました。