ご依頼の背景

被相続人は生活保護を受給しておりました。また、相続財産も債務超過の状態であることから相続放棄をしたいとのことでした。しかし、相続人である母親が高齢であり、自ら手続することはできない状態にありました。また、母親が相続放棄した後、次順位の相続人である依頼者の兄弟のうち、連絡が取れない行方不明の方がいらっしゃいました。そのため、弁護士に依頼して、相続放棄の手続を進めたいとのことでした。

依頼人の主張

亡くなられた被相続人の債務を負いたくないので、相続放棄をしたい。また、母親が入院中であるが相続放棄ができないか、できなければ成年後見人などの手続が必要となるのか確認したい。さらに、行方不明者の兄弟もみつかるのであれば、その方の子どももいるので相続放棄してほしい。

サポートの流れ

私どもはまず、相続人であるお母様の意思を確認する必要があると考えました。お母様は遠方に住んでおり、病院に入院している状況でした。そこで、病院と連絡を取り、お母様との面会をすることにいたしました。その際、病院ではインフルエンザなどの蔓延防止のため、親族でも面会を断っている状況にありました。しかし、私どもから直接病院へ連絡をし、相続放棄の意思確認のために、短時間でもよいので面会をさせてほしい旨を告げ、何とか面会することができました。お母様との面会では、お母様の入院されている病院の近くに住む依頼者のご兄弟も立ち会っていただき、相続放棄の意思を無事確認することができました。さらに、行方不明となっている依頼者のご兄弟の住民票を取得し、依頼者にもわからなかった行方不明の方と連絡を取ることができました。

結果

第一順位の相続人であるお母様の意思確認ができ、無事お母様の相続放棄の手続をすることができました。また、次順位の相続人である依頼者及びそのご兄弟の方々についても、行方不明者の方と連絡を取ることができた結果、無事相続放棄の手続をすることができました。その結果、被相続人の債務を相続放棄し、依頼者のお母様、依頼者、依頼者のご兄弟が亡くなられた被相続人の債務を相続することはなくなりました。