ご依頼の背景
相続人である長男は、母と前夫との間の子で、被相続人である父とは養子縁組をしておりました。
そのため、実父が異なる依頼者とは以前から疎遠であり、ほとんど連絡を取っていない状況でした。
被相続人である父が亡くなった後、父の遺産分割について長男と協議をした際に、長男が依頼者がその際に提示した相続財産が少なすぎると逆上し、それ以上の話し合いが困難であったため、弊所にご依頼いただきました。
依頼人の主張
相続財産は、依頼者が保管している現金と第三者に対する貸金債権のみであり、この相続財産を法定相続分にしたがって分割する。
サポートの流れ
依頼者が長男との直接のやり取りをすることに恐怖心を感じていたことから、まず、長男に対し、弁護士が委任を受けたため、今後の被相続人の遺産分割に関する協議は全て弁護士が行うことになることから、依頼者には直接連絡しないよう取り急ぎ連絡を入れました。
その上で、被相続人の相続財産は、依頼者が保管している現金と第三者に対する貸金債権であると提示し、これらの相続財産を法定相続分に応じて分割することを提案しました。
これに対し、当初長男も弁護士に依頼し、その弁護士から依頼者の子名義の預貯金も被相続人の相続財産に含まれることや、第三者への貸金債権が依頼者が提示する金額よりも多額であるとの反論がなされました。
この長男の弁護士からの反論に対しては、依頼者の子名義の預貯金は被相続人からの生前贈与であり、そのことはこの預貯金の名義が被相続人ではなく、依頼者の子であることから明らかであると主張しました。
また、第三者への貸金債権が多額であるとの反論に対しては、長男の主張には何の客観的根拠もないことを主張しました。
結果
長男の弁護士に対して依頼者の主張をしたところ、長男の弁護士が辞任したため、改めて長男に対し、被相続人の相続財産が依頼者が保管している現金と第三者に対する貸金債権であることを前提とする遺産分割協議を申し入れました。
すると、その申し入れに対して長男が応じたことから、依頼者が主張していた相続財産を前提として法定相続分で分割する遺産分割協議書を作成することができました。